Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
Initialising ...
嶋田 和真; 櫻原 達也*; Reihani, S.*; Mohagehgh, Z.*
Proceedings of Asian Symposium on Risk Assessment and Management 2020 (ASRAM 2020) (Internet), 12 Pages, 2020/11
オフサイトの事故影響分析において、住民への放射線被ばくに対する避難の防護効果をより現実的に評価するために、レベル3確率論的リスク評価(レベル3 PRA)コードと交通シミュレーションを統合する手法を構築した。この研究では、WinMACCS(Ver.3.11)をレベル3 PRAコードとして使用した。テストケースとして、2017年に米国原子力規制委員会が発行したSOARCAレポートで対象となったセコヤ原子力発電所(NPP)サイトを採用した。交通シミュレーションコード として、MultiAgent Transport Simulation (MATSim)の避難拡張機能 を採用し、セコイアNPPから半径10マイルの緊急時準備区域の住民の避難時間を計算した。SOARCAレポートにおいて放出開始時間が最も早いソースタームでWinMACCSでの解析を行った。また、避難の方法として、各車両が最短距離で避難する場合と、全車両の総避難時間が最短時間となったとされた場合を想定して避難を実施した場合の住民の放射線被ばく線量を計算した。結果の一例として、全車両の総避難時間が最短となるように避難した場合、個々の車両が最短距離を避難した場合よりも約30%減少することが分かった。さらに、感度解析を実施し、リスクに与える最も大きな因子な避難準備時間であることを示した。
奥地 拓生*; 富岡 尚敬*; Purevjav, N.*; 柴田 薫
Journal of Applied Crystallography, 51, p.1564 - 1570, 2018/12
被引用回数:2 パーセンタイル:20.7(Chemistry, Multidisciplinary)中性子準弾性散乱(QENS)は、鉱物結晶格子内で起こる原子スケール水素拡散プロセスを分析するための新規かつ有効な方法であることが実証されている。この方法は、凝縮体中の拡散性が高い水素原子または水分子の拡散頻度および距離を分析するために敏感であると以前から考えられていた。本論文では、水酸基として結晶格子に結合している非常に遅い運動の水素原子の拡散運動を分析する応用研究の結果が示されている。ブルーサイト鉱物( brucite)、Mg(OH)では、水素原子の単一の二次元層面内でのジャンプとそれに最も近い次の層へのジャンプの2種類の水素拡散プロセスが観察された。ブルーサイトの結晶構造内で観察されるこれらの拡散プロセスは、層状構造を有する様々な種類の酸化物およびミネラル内で起こる水素拡散現象にQENS測定が適用可能であることを示している。
北谷 文人; 土屋 晴文; 小泉 光生; 高峰 潤; 堀 順一*; 佐野 忠史*
EPJ Web of Conferences, 146, p.09032_1 - 09032_3, 2017/09
被引用回数:0 パーセンタイル:0.08(Nuclear Science & Technology)The use of a short flight path is effective in the neutron resonance analysis. On the other hand, such a short path would reduce a time resolution in Time-Of-Flight (TOF) measurements. In order to investigate the effect of neutron flight-path length, we carried out Neutron Resonance Transmission Analysis (NRTA) experiments with a short neutron flight path at the Kyoto University Research Reactor Institute - Linear Accelerator (KURRI-LINAC). In measurements of Neutron Resonance Densitometry, the quantity of nuclear materials is determined from TOF spectra obtained in the neutron energy range below 30 eV. Performing NRTA experiments with a 7-m flight path at KURRI-LINAC, we examined effects of flight path and pulse width on a TOF spectrum. A resonance dip of W at 27 eV in a TOF spectrum was successfully observed with an electron pulse width less than 2 s. In this presentation, we will discuss importance of the pulse width and short flight path to study design of a compact TOF facility to quantify nuclear materials.
Mantica, P.*; Bourdelle, C.*; Camenen, Y.*; Dejarnac, R.*; Evans, T. E.*; Grler, T.*; Hillesheim, J.*; 井戸村 泰宏; Jakubowski, M.*; Ricci, P.*; et al.
Nuclear Fusion, 57(8), p.087001_1 - 087001_19, 2017/08
被引用回数:6 パーセンタイル:32.2(Physics, Fluids & Plasmas)本会議報告は2016年9月5日8日にスイス、レザンにて開催されたthe 21st Joint EU-US Transport Task Force Workshopにおける報告と議論をまとめたものである。ワークショップは以下の8つのトピックから構成された: full-F運動論的乱流シミュレーションの進展; 高Z、低Z不純物の輸送、制御、および、プラズマ閉じ込めへの影響; 炉心、周辺輸送への3次元効果(MHD、外部磁場、ステラレータを含む); 予測性の高いプラズマ設計; 電子熱輸送とマルチスケール統合; Scrape-Off Layer(SOL)におけるパワー減衰長の理解; L-H遷移におけるSOLの役割; 乱流計測に対する乱流基礎特性の実証研究。
井戸村 泰宏
Physics of Plasmas, 24(8), p.080701_1 - 080701_5, 2017/08
被引用回数:10 パーセンタイル:45.63(Physics, Fluids & Plasmas)大域的full-fジャイロ運動論モデルに基づく電子加熱変調数値実験から、電子加熱によるイオン温度勾配駆動(ITG)乱流から捕捉電子モード(TEM)乱流への遷移が密度勾配の急峻化とプラズマ回転の変化をもたらすことを示した。回転変化時のトロイダル角運動量バランスをトロイダル角運動量保存則の直接観測によって明らかにし、イオン系の乱流応力に加え、イオン系の新古典応力、径方向電流、イオン系と電子系のトロイダル電場応力が重要となることを示した。ITGフェーズとTEMフェーズにおけるトロイダルトルクの反転はイオン系方向電流の反転によるものであり、これは粒子輸送と運動量輸送の相互作用であることを明らかにした。イオン系と電子系の径方向電流は両極性条件を満たすようにバランスし、電子系の径方向電流は電子系のトロイダル電場応力によって打ち消される。これは電子系のトロイダル電場応力が間接的にトロイダルトルクに影響していることを示す。
島崎 洋祐; 小野 正人; 栃尾 大輔; 高田 昌二; 澤畑 洋明; 川本 大樹; 濱本 真平; 篠原 正憲
Proceedings of International Topical Meeting on Research Reactor Fuel Management and Meeting of the International Group on Reactor Research (RRFM/IGORR 2016) (Internet), p.1034 - 1042, 2016/03
HTTRでは起動用中性子源として、Cf(3.7GBq3個)を炉心内に装荷し、約7年の頻度で交換している。中性子源の中性子源ホルダへの装荷、中性子源ホルダ収納ケース及び中性子源用輸送容器への収納は販売業者のホットセル内で行われ、その後、HTTRまで輸送される。中性子源ホルダの黒鉛ブロックからの取出・装荷は、HTTRのメンテナンスピット内で行う。前回の交換作業において、輸送容器に中性子源ホルダを取扱う上でのリスクが2つ確認された。従来の輸送容器は大型(1240mm、h1855mm)で床に固定できないため、地震時の輸送容器のズレを原因とする漏えい中性子線・線による被ばくのリスクがあった。また、中性子源ホルダ収納ケースが長尺(155mm、h1285mm)で、メンテナンスピット内の適切な作業位置に引込めないため、中性子源ホルダの遠隔操作による取扱いが困難となり、ホルダが誤落下するリスクがあった。そこで、これらの問題を解決する、新たな輸送容器を低コストで開発した。まず、被ばくのリスクを排除するために、メンテナンスピット上部のフロアにボルト固定できるよう輸送容器を小型化(820mm、h1150mm)した。また、中性子源ホルダケースをマニプレータで適せつな位置に引き込めるように小型化(75mm、h135mm)かつ単純な構造とし、取扱性を向上させた。その結果、2015年に行った中性子源ホルダ取扱作業は安全に完遂された。同時に、製作コストの低コスト化も実現した。
山口 徹治; 澤口 拓磨; 塚田 学; 星野 清一*; 田中 忠夫
Clay Minerals, 51(2), p.279 - 287, 2016/02
被引用回数:7 パーセンタイル:24.23(Chemistry, Physical)セメント硬化体を炭酸ナトリウム溶液に接触させて変質させる試験と、セメント硬化体とベントナイトを接触させて変質させる試験とを行った。変質に伴う物質移行特性の変化は、トリチウム水を透過拡散させて拡散係数の変化を検出することによって調べた。炭酸系の試験では、界面近傍における鉱物の変化に伴い、180日間に拡散係数が変質前の70%に低下した。セメントとベントナイトを接触させたケイ酸系の試験では、界面近傍における鉱物の変化に伴い、600日間に拡散係数が変質前の71%に低下した。粉砕したセメント硬化体とベントナイトを混合して変質させた既往の研究では、拡散係数が180日間に変質前の20%にまで低下したのに比較すると、本研究では反応面積が小さいので拡散係数の変化も小さくなった。炭酸系の実験では硬化体表面から0.55mmの範囲で拡散係数の変化が起こり、ケイ酸系の実験では界面から0.5mmの範囲で拡散係数の変化が起こったと評価された。この結果を、単純なモデルを用いて15年間に外挿したところ、フランスTournemire地下実験施設で観察された15年間にわたるセメント-粘土岩相互作用の特徴をよく再現した。このような知見は、実験データに信頼性を与えるとともに、実験に基づくデータやモデルを長期評価に用いる際の根拠の1つとなりうる。
水越 清治; 大島 総一郎; 島田 太郎
JAERI-Tech 2005-011, 122 Pages, 2005/03
原子力発電所の廃止措置における解体計画や廃棄物管理計画の観点から米国原子力規制委員会(NRC)が作成したNUREG報告書の110万KWe級参考原子力発電所の機器・構造物重量や放射能特性等の廃止措置に関する基本データを分類,整理し、国内商業用原子力発電所やJPDRと比較,検討した。その結果、参考原子力発電所(BWR)の機器・構造物重量データは国内商業用原子力発電所(BWR)に比べて放射性機器・構造物重量で約28,000トン、非放射性の建屋構造物重量で約124,000トン少ないこと、また、これらの重量の差異が廃止措置費用のおもに解体撤去費用に影響していることが明らかになった。さらに、参考原子力発電所のコンクリートの元素組成割合は放射化に影響を及ぼすB, Ni, Nb等の元素組成割合が国内商業用原子力発電所(PWR)やJPDRとの間で1桁以上の差異があること,これらの元素組成割合の差異は放射能濃度で23倍程度の差異となり、廃止措置費用のおもに、輸送,処分費に影響を及ぼすことが明らかになった。
久保 博孝; 竹永 秀信; 仲野 友英; 東島 智; 清水 勝宏; 澤田 圭司*; 小林 進二*; JT-60チーム
Nuclear Fusion Research; Springer Series in Chemical Physics, Vol.78, p.121 - 134, 2004/11
ダイバータ板に到達した水素イオンのほとんどは水素分子として再放出される。炭素材ダイバータ板では、化学スパッタリングによって炭化水素分子が発生する。これら分子の挙動の理解は、ダイバータを用いた熱粒子制御を確立するために重要である。ここでは、分子輸送に関するダイバータ分光について、おもにJT-60Uでの最近の研究に基づいて、幾つかの話題を述べる。接触ダイバータプラズマでは、水素分子及び炭化水素分子の輸送を調べるために分子分光が役立っている。また、水素分子が水素原子の生成,輸送,発光に及ぼす影響に関して調べられている。一方、非接触ダイバータプラズマでは、プラズマパラメータの分布測定,振動励起など複雑な分子過程を考慮した解析が課題である。また、本研究における分子データの応用及び必要性に関して議論する。
朝倉 伸幸
プラズマ・核融合学会誌, 80(3), p.190 - 200, 2004/03
現在のトカマク装置の異なるダイバータ形状や粒子排気方式で、共通に理解されてきたダイバータとスクレイプオフ層におけるプラズマ物理現象について説明する。ダイバータ板の上流部での分布を詳細に測定できる計測器の開発、及びシミュレーションコードの改良によって、ダイバータとスクレイプオフ層の物理研究は最近著しく進展した。この中で4つのトピックス:(1)ダイバータ板上流における熱・粒子輸送,(2)バースト的にダイバータへ輸送される熱流及び粒子流,(3)スクレイプオフ層でのプラズマ流,(4)スクレイプオフ層でのプラズマ拡散、に関する最新の研究成果と今後の物理研究課題について解説する。
岸本 泰明; 井戸村 泰宏; Li, J.
プラズマ・核融合学会誌, 79(5), p.478 - 488, 2003/05
本稿では、時空間スケールを限定した単一の物理階層のみならず、階層間の相互作用が本質的役割を果たす現象の一つである「プラズマ中に発生する乱流と層流」に話題を限定し、多階層・複合概念が核融合プラズマの高性能に果たす役割の一端を紹介する。また、今後の構造形成に準拠した高性能の核融合研究を推進する上で、幅広い時空間スケールを包含する多階層シミュレーション研究の重要性について考察する。
滝塚 知典; 北條 仁士*; 羽鳥 尹承*
プラズマ・核融合学会誌, 78(9), p.857 - 912, 2002/09
磁場閉じ込めプラズマ中の磁力線に沿った輸送について概説する。無衝突及び衝突拡散的輸送について比較する。その速い輸送のために、磁力線方向のプラズマの性質は非局所的に振る舞いやすい。トカマク中のスクレイプオフ層とダイバータプラズマの非局所的現象の一つを紹介する。その磁力線方向に形成される非対称性はスクレイプ層の電流に関連する熱電不安定性に起因する。MARFEと呼ばれる局所的な現象は強い放射冷却により作られる。磁力線方向に非局所的で磁力線垂直方向に局所的構造を持つスネークはトカマクの中心プラズマに生じている。ミラープラズマにおけるミラー端からの軸方向損失について紹介する。特にピチ角散乱によるロスコーンへの落下及び磁気モーメント断熱性の破れによる損失が非局所的な軸方向輸送に関連することを述べる。
二宮 博正; 狐崎 晶雄; 清水 正亜; 栗山 正明; JT-60チーム; 木村 晴行; 川島 寿人; 都筑 和泰; 佐藤 正泰; 伊世井 宣明; et al.
Fusion Science and Technology, 42(1), p.7 - 31, 2002/07
被引用回数:13 パーセンタイル:27.27(Nuclear Science & Technology)先進定常トカマク運転に必要な高い総合性能を維持する科学的基盤を確立するため、JT-60Uは改善閉じ込めモードの運転制御シナリオの最適化を進め、各種のプラズマ性能を向上してきた。この結果、定常トカマク炉に向けた顕著な成果を得た。これらの成果の詳細を報告する。JFT-2Mでは、高性能プラズマの開発と核融合炉で採用が予定されている構造材料開発のための先進的研究と基礎的な研究を進めている。真空容器外側に設置したフェライト鋼により、トロイダル磁場リップルが減少することが示された。真空容器内の20%の領域にフェライト鋼を設置しても、プラズマ性能への影響は見られなかった。TRIAM-1Mの結果についても報告する。
本間 俊充; 松永 武
JAERI-Research 2000-059, 63 Pages, 2001/01
本研究書は、日本原子力研究所で開発した事故影響評価コードOSCAARを国際原子力機関が主催するBIOMASS計画テーマ2イプート線量再構築シナリオに適用した結果を記載したものである。このシナリオはチェルノブイル事故で高汚染したロシアのブリアンスク地域の河川流域と農作地帯におけるCsの汚染を扱ったものである。このシナリオ解析は、OSCAARの長期被曝経路モデルの実測データによる検証及び各評価モデルに関連した不確実さの主たる要因の同定に用いられた。OSCAARの長期被曝経路モデルは、回答を求められた多くの農作物あるいは自然食品中の10年間にわたるCs濃度の再評価に大方成功した。しかしながら、Csの土壌下方への移行のモデル化は依然として十分ではなく、長期の食物汚染の予測には、植物が利用可能な形態の土壌セシウムの時間変化を予測するより詳細なモデルが必要である。
高田 弘; 明午 伸一郎; 仁井田 浩二*
Advanced Monte Carlo for Radiation Physics, Particle Transport Simulation and Applications, p.949 - 954, 2001/00
原研とKEKによる統合計画の大強度加速器施設の核設計に用いるため、核子・中間子輸送コードNMTC/JAMについて、高エネルギー核反応計算モデルの導入に関連して、発生するすべての中間子、バリオン、レプトンの輸送を取り扱う拡張を加えたほか、核子-原子核散乱断面積及び弾性散乱角度分布をより正確に扱えるように系統式を修正した。また、ビーム照射による損傷評価のためはじき出し損傷断面積評価計算機能を評価した。改良したNMTC/JAMを用いて、中性子の遮蔽体透過実験解析や厚いターゲットにおける反応率分布測定の解析を行った。前者について、NMTC/JAMによる計算結果は透過成分及び周辺への散乱成分ともに実験値とよく一致した。またGeV領域に陽子入射に関して、中性子生成量が従来よりも増加し、反応率分布について実験値との一致度が向上した。
遠藤 章; 山口 恭弘; 坂本 幸夫; 吉澤 道夫; 津田 修一
Radiation Protection Dosimetry, 93(3), p.207 - 214, 2001/00
被引用回数:6 パーセンタイル:44.06(Environmental Sciences)JCO臨界事故における事故現場周辺の主たる放射線被ばくは、ウラン溶液が注がれた沈殿槽内の核分裂反応で発生した中性子及び線によってもたらされた。そこで、周辺住民の線量を評価するために、JCO敷地内外におけるモニタリングデータ及び放射線輸送シミュレーション手法を用いて、周辺環境における中性子及び線の線量当量を評価した。事故発生から終息までの期間における時刻及び距離ごとの積算線量を算出した。その結果、避難要請が行われた350m圏以遠の住民等の線量は、1mSv以下と推定された。本評価値は、家屋の遮蔽性能及び行動調査とあわせて、各個人の線量を推定するための基礎データとなった。
本間 俊充; 井上 佳久*; 富田 賢一*
JAERI-Research 2000-049, 101 Pages, 2000/10
本報告書は、日本原子力研究所で開発した事故影響評価コードOSCAARを国際原子力機関が主催するBIOMASS計画テーマ2のハンフォード線量再構築シナリオに適用した結果を記載したものである。このシナリオは米国ハンフォードのピュレックス化学分離施設で1963年9月25日に起きたIの大気中への事故的放出に関係するものである。この解析によって、OSCAARで用いているIの大気中拡散・沈着及び食物連鎖移行モデルを実測データを用いて検証した。排気筒高さの気象データ及び周辺地上観測所のデータを内挿して得られた風速場から計算された大気拡散・沈着の結果は一部、予測性能に限界があったが、OSCAARの食物連鎖移行モデルは比較的、精度のよい評価が可能であった。また、モンテ・カルロ法に基づくOSCAARに結合された不確実さ・感度解析手法は、このシナリオ計算を通して機能が確認され、事故影響評価に最も重要な影響を与えるパラメータの決定に有用であった。
石島 達夫
JAERI-Research 2000-015, p.94 - 0, 2000/03
核融合炉においては、非接触ダイバータが標準シナリオと考えられている。しかしながら、非接触ダイバータの運転領域は不純物が炉心プラズマに混入してしまう局所的に放射損失が高くなる現象(MARFE)に近接しており、MARFEの回避法が課題となっていた。本論文は、分光学的な解析から境界プラズマ層のプラズマ流がダイバータ領域に不純物を留めMARFEを回避するために重要であることを初めて明らかにした。通常のトカマク放電では異常拡散が支配的であり、新古典拡散理論で予測される不純物の選択的な中心への蓄積は観測されない。閉じ込めのよい負磁気シア放電においては、電子密度、電子温度、イオン温度が中心領域で増大し、この時、炭素密度及び放射パワーも中心領域で増大していることに着目し、分光学的な計測及び解析を行った。その結果、炭素不純物の増加量は、新古典拡散理論でほぼ説明できることを明らかにした。閉じ込め改善度が高い負磁気シア放電の場合、~1秒程度の定常維持が続くと中心において不純物が蓄積することにより閉じ込め性能に影響を与える可能性がある。また本研究では炉心のパワーバランスの理解のために重要である放射パワーの解析を行い、不純物と重水素イオンによる制動放射で説明が可能であることを明らかにした。
山極 満; 広瀬 章*; M.Elia*
Physics of Plasmas, 4(11), p.4031 - 4034, 1997/11
被引用回数:2 パーセンタイル:8.87(Physics, Fluids & Plasmas)シューティングコードを用いて、トカマクの負磁気シア内部輸送障壁におけるプラズマパラメータに対する運動論的バルーニングモードの安定性解析を行った。負磁気シアに対して予想されていた、圧力勾配パラメータに関する第2安定領域が、シューティング距離を長くとることにより消失し得ることを示した。トロイダルモード数が比較的低く、周波数100kHz以下のモードが高圧力及び高密度勾配によって特徴付けられる輸送障壁の近傍でのみマージナルに不安定となることを明らかにした。
山極 満; 広瀬 章*; M.Elia*
PPL-167, p.1 - 13, 1997/08
シューティングコードを用いて、トカマクの負磁気シア内部輸送障壁におけるプラズマパラメータに対する運動論的バルーニングモードの安定性解析を行った。負磁気シアに対して予想されていた、圧力勾配パラメータに関する第2安定領域が、シューティング距離を長くとることにより消失し得ることを示した。トロイダルモード数が比較的低く、周波数100kHz以下のモードが高圧力及び高密度勾配によって特徴付けられる輸送障壁の近傍でのみマージナルに不安定となることを明らかにした。